ランサム攻撃がもたらす“生活インフラの停止”とは?個人にできる現実的な備え5選

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ランサム攻撃で止まる生活インフラとその影響

近年、社会インフラを狙ったサイバー攻撃が国内外で相次いでいます。
アスクルや無印良品までも、サイバー攻撃によって一時的に業務が停止するなど、私たちの買い物・物流・仕事にまで影響が及ぶ現実的な脅威となっています。

2025年9月末、アサヒグループホールディングス(アサヒビール)では、ランサムウェア攻撃(以下、ランサム攻撃)により国内システムが全面停止し、生産や出荷だけでなく、経理や決算までも影響を受けました。

実は私自身も、過去に勤めていた関連会社で同様の攻撃を経験しています。
出勤すると、プリンタの横には紙が山のように積まれ、すべてに同じ警告文が印刷されていました。その光景を見た瞬間、これが現実に起きているのだと実感しました。

この記事では、普段当たり前のように利用しているサービスやインフラが突然止まったときに、家の中で生活を維持するための5選を紹介します。
さらに後半では、私自身が経験したサイバー攻撃をもとに、被害がどのくらいの期間続くのかを考察していきます。

目次

大規模イベント期に増えるサイバー攻撃

これから迎える年末年始や大型連休、花火大会、スポーツ大会といった“繁忙期”には、不正アクセスや情報漏洩、ランサムウェアなどのサイバー攻撃が通常期の約2倍に増加するという調査結果があります。
人員の減少による監視の緩みが原因のひとつとされ、オリンピックのような世界的イベントの際にも発生リスクが高まるといわれています。

サービス停止が暮らしに及ぼす影響

2024年、世界的な眼鏡レンズメーカーがランサム攻撃を受け、国内の眼鏡店で商品の供給が滞る事態となりました。
結果として、納期が大幅に遅延するなど、業界全体に影響が広がりました。

日本でも2020年頃から毎年のように病院が標的となり、救急や外来受け入れの停止・制限という事例が報告されています。
電気や水道などのインフラが物理的に止まる災害と違い、ランサム攻撃は、突発的に発生し、気づけば生活のあらゆる部分に影響が及んでいることも少なくありません。

  • 電子決済が利用できない
  • 物流が滞り、商品が届かない
  • 病院や自治体のシステムが停止する

ランサム攻撃は、一瞬で生活の流れを止めてしまうことがあります。守るべきはインフラだけではありません。私たちの暮らしそのものを支える「備えの仕組み」が必要です。

“デジタル災害”に備える5選

ここでは、突然の停止に備えて家の中で生活を維持するための5選を紹介します。

① 石鹸・洗剤

ランサム攻撃の影響で、商品が一時的に入手しづらくなり、買い占めが発生した事例も少なくありません。
石鹸は手洗いや体の清潔を保つうえで欠かせないアイテムであり、感染症が広がる時期には特に需要が高まります。

同様に、洗剤も衣類や食器を清潔に保つために必要不可欠な日用品です。
2020年には流通の混乱によって品薄が続いたケースもありました。万が一に備えて、日頃から余裕をもった備蓄を心がけましょう。

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② 衛生用品

システムや物流が停止すると、商品の供給が滞り、普段の衛生環境を保つことが難しくなります。そのような事態に備え、衛生用品をあらかじめ準備しておくことが重要です。
マスク・絆創膏・歯ブラシ・ウェットティッシュなどの基本アイテムは、清潔を維持し、感染症を防ぐための最低限の備えとなります。

体を拭いたり、手を清潔に保つだけでなく、身につけるものの清潔さも忘れてはいけません。
清潔を保つための備えとして、マスク・絆創膏・歯ブラシといった衛生用品はもちろん、特に使い捨てタイプの下着を準備しておくのがおすすめです。個包装で滅菌されており、開封後すぐに清潔に使えます。

当ショップでも、過去には被災地での購入実績が多く、能登半島地震でも「お風呂に入れない中で、せめて下着だけでも替えたい」という声が多く寄せられました。
水や電気が止まっても、清潔を保てる備えは心の安心にもつながります。

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③ 飲料水

人間は水がなければ数日しか生きられません。システム障害で水道が止まるリスクを考え、1人1日あたり3リットルを目安に、家族分を備蓄しましょう。
飲むだけでなく、調理・歯磨き・手洗いなど多用途に使うため、多めのストックがあると安心です。

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④ 非常食

2025年10月には、「食料物流システムへのサイバー攻撃」を想定した国内シミュレーションが発表されています。
防災士の平井敬也氏による想定では、「イオン・日本アクセス・CGCの3社がランサム攻撃を受けた場合、72時間以内に食料供給の約4割が途絶え、都市部で買い占めが発生する」とされています
出典:SEI SHOP公式ブログ、株式会社セイエンタプライズ)。

尾西食品のアルファ米などは、水やお湯を注ぐだけで作れて、5年以上保存が可能。実際に試食しておくことで、災害時にも安心して食べられます。
物流システムに限らず、普段購入している食品が突然棚から消えることがあります。少し多めの備蓄を日常の中に組み込むことが、暮らしを守る第一歩です。

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⑤ カセットコンロとカセットガス

停電やガス供給の停止時にも、カセットコンロがあれば温かい食事を作れます。
温かい飲み物やスープは、非常時に心を落ち着ける大切な要素です。ガス缶は夏場の高温に弱いので、直射日光を避けて保管しましょう。

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経験から学ぶ「少し多めに備える暮らし」

日常が便利になればなるほど、止まったときの影響は大きくなります。企業任せではなく、家庭の中でも「もし止まったらどうする?」を考えておくことが、これからの時代の新しい備えです。

まとめ:見えないリスクにこそ備えを

冒頭の私が経験したランサム攻撃による影響は、2021年の東京オリンピック期間中でした。
多くのシステムは新規で再構築する対応となったため、2か月から半年ほど影響が出るものもありました。

ランサム攻撃は今後も繰り返される恐れがあり、完全な復旧には前例と同様に長い時間がかかることが予想されます。

このように、ランサム攻撃は遠い世界のニュースではなく、明日の私たちの生活に直接影響を及ぼすかもしれません。
備えとは、不安を膨らませるためではなく、どんな状況でも心地よく暮らせる安心をつくること


今日紹介したアイテムが、あなたの備えリストの見直しのきっかけになれば幸いです。

小さな備えが、明日の安心をつくります。
今日からできる一歩として、まずは家の中の備えを見直してみませんか。

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